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誤解を恐れずに言えば、「軍と警察」という説明が最も簡明かと思います。
日本国憲法上、日本は軍を保持できないこととなっておりますので、海上自衛隊は軍ではないという認識が一般的ですが、その点は措くとして、海上自衛隊は、諸外国の海軍と同様に、国防が主な任務となります。
他方、海上保安庁の主な任務は、海上犯罪の取締りや救難業務等です。例えば、海上保安庁は尖閣諸島周辺海域の領海警備を行っていますが、それは、国防業務として行っているのではなく、海上警察権の行使として行っています。
また、海上保安庁の巡視船は白色ですが、海上自衛隊の護衛艦は灰色です(※海上保安庁の船の中にも古いものは灰色のものもあります。)。国際的にも、Coast Guardの船は白色、Navyの船は灰色が多いです。これにより端的に言えば、「軍か警察か」判別することが可能となります。
領海警備においても、灰色の船(軍艦)同士でつばぜりあいした場合は、直ちに戦争に発展しかねないことから、白色の船(巡視船)同士でつばぜりあいをすることが通常です。このことを「白船外交」と呼ぶことがあります。